2012年12月15日土曜日

龍樹11


サラダの美味しい店は良い店だ。
いつもサラダも美味しいここは非常に良い店だ。

オニオンポタージュ
皆が美味しさに息をのむようなリアクションにほくそ笑む、私
どや?という顔をしているが作ったのは勿論私ではない

蟹を食べてるときは皆さん無口になりますね。
一心不乱に食べる姿をみるのはとても愉快。

ギアラのカレー
ギアラもタンもハツも、カレー向きの食材だと思う。
まぁここよりおいしい店は知りませんが…
内臓系はやっぱり癖あるからね~
ここみたいに誰でも美味しく食べられるというのは
奇跡ですね

キノコのトマトクリームのカレー
きのこのエキスが出まくった逸品。
美味いよな~

海老のカレー
う~ん、火の入りもグレービーの味も美味い。
だが、シェフはまだ上があると仰る。
怖ろしいほど楽しみだ。

デザート盛り合わせとチャイ
最高の食事の終わりに美味しいデザート
口福とはこういう事です

シェフからのサービス
ダールマキニ、かな。
豆の固さもベスト!
いや~チャナマサラといい
シェフの豆カレーは大好きだな。





シカ肉のロティ
最高に、ハイ!っと言いたくなるね。
素晴らしい火入れの肉は
ナイフで切り分ける時も楽しい。
ロティ、私ももっと上手くなりたいもんだ

シーフードのカレー
色々な具のエキスが染み出ているが
もっとうまく組み合わせたかった、と仰るシェフ。
既に、メチャクチャ美味しいが…言わんとされることは分かる。
もっと美味しくなると思うとゾクゾクする

この日のチーズケーキは
いつもより焼き上がりがハードだったのだけれど
それが私好みで実に美味しかった。
レアチーズケーキとかだと話は別だが
これはこのくらいの焼きが一番好きだな

12月は毎年繁忙期であるが

今年は色々重なって例年になく忙しかった。

しかしまだ終わっていないとはいえ、ピークは過ぎ去った。

後はほどほどに忙しいので、こうしてブログの更新も出来る…いや、したいと思っている。



ということで、結構前の話であるが

いつものようにホームであるところのナーガに

後輩を連れて行った時のことである。

彼は私がモラトリアムを謳歌していた頃の後輩であり

現在は互いに何ら上下関係の発生しない環境に身を置いているが

一度先輩と後輩の契りを結ぶと、その誓いは永遠なのである。

彼は残り生涯ずっと、私を先輩としてほどほどに敬う義務があり

私には彼をやたらと可愛がる権利がある。



その時彼は、悩みを抱え苦しみ、心を癒す美味しいものを欲していた。

その時私は、連日の不毛な食事に苦しみ、心を潤す美味しいものを欲していた。

お互いの為にも「約束された美味しい店」=Nagarjunaに向かうのは当然の帰結といえる。


美味い料理と抜群のホスピタリティに心癒され潤され

彼は、下らん悩みを吹き飛ばすことに成功し

私は、連日堪ったストレスを蹴散らすことに成功した。


しかし実際、彼の悩みときたら、下らんというほかはなかった。

遠距離恋愛中の彼女の機嫌が、近頃どうも宜しくないが

自分にはその原因が分からないというのである。

おかげで大事な修士論文の提出期限が迫っているのに

一字も進まない有り様だという。

下らん悩みだが、それによって引き起こされる事態は深刻である。


そもそも彼らの交際期間は4年を経ており、しかも当初から現在に至るまで

ず~っと遠距離のままである。

私に言わせれば、今まで続いたことが驚きであり

君たちの愛も距離の前に遂には摩耗しきった、という事なのだが

可愛い後輩の手前、そんなに愛なき科白も言うことが出来ない。

下らん恋の悩みを聞くのは実のところ大好きだが

事態を打開する策を、私に求めるのはお門違いというほかない。

だが、頼れる先輩の威光を地に落とすわけにもいかない。

気にしすぎるな、きっと虫の居所が悪かっただけだ

そういう日もある、それでもだめなら取り敢えず謝っておけ

大概でそれでうまくいく、などと知った風な口をきいておいた。




だが、勿論これは大嘘である。

大体、心当たりもないのに謝ったところで

誠意なき謝罪などまるで無意味である。

怒っている風だから…と理由で謝ると

大抵の場合、火に油を注ぐ結果になる。

理由もわからんくせに謝られると腹が立つ、というのだ。

当然のように、彼女たちは理由を話そうとはしない。

なぜならそれを口にするのは、相当の屈辱を伴う事だからである。

つまり、我々に要求されていることとは

うまく察しろ、と。

さもなくば別れる、と。

まぁこういう事で大体合っている。


だがナーガで気分を軽くして帰った彼は

私のアドバイスはすべて忘れ

敢えて、無視する、という勇気ある決断をした。

お前の機嫌の悪さなど知ったことか、俺は悪くない!

などといったわけはないだろうが、取り敢えず沈黙は金と出たらしい。

事態は好転し、未だ彼らの平和的男女関係は続いている。

私のアドバイスは何の役にも立っていないが

美味しい店を用意して、うまい方向へ事態は転がしたのだから

やっぱりこれは私の手柄であろう。

私に相談して正解だったと、ますます尊敬の念を強め

今後もきっと、彼は私に恋の悩みを相談してくるに違いない。

私はそれを料理の肴として、おいしくいただく。

まこと、他人の悩みは蜜の味である。










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